グラウンドの端、掻き集められて積まれた落ち葉の山。 カラカラに乾いたそれを目にして発した千裕と平馬の第一声。それは全く同時の、タイミング。 「…寝転がったら、気持ちいいだろうな」 「幾つ焼き芋焼けるかなぁ!なぁ!?」 口に出したのはそれぞれ、それぞれの秋の過ごし方。 あんまりに違う対極の様なそれに、一瞬だけ千裕も平馬も固まった。けれど固まった体をどうにかぎちぎちと動かして、お互いの顔を見合ってしまえばそんな戸惑いはあっさりと秋の空に消えていく。風も穏やかで心地よい。雨も台風もご無沙汰な最近は、湿気も無いから落ち葉は乾燥し切って天然の柔らか布団だ。赤の様なオレンジの様な黄色の様な。秋色のその塊に、遠慮も無しに火をつければ、秋の匂いを漂わせてくれる、事だろう。 顔を見合わせて、二人で笑って、口を開いた発した。千裕と平馬の第二声。それも全く同時のタイミング。 「それもいいね」 今度は綺麗にハモってしまって、それも面白くて面白くて。秋の空に通り抜ける、色づいた笑い声を二人、空に送った。 「まだ時間があるから練習前、始まるまで昼寝しよう。天気もいいから、気持ちいいよ。楽しいだろよ」 「…じゃあ終わったら焚き火をしよう。カラカラだから、きっとよく燃える。芋、いくつ買おうかな。いくつ分、出来るかな、な?」 「楽しみだな!」 「…だな。うん」 笑いながら駆け出した。向かった先は五分で辿りつく、近所のスーパー。芋を抱きしめて眠るなんて、馬鹿みたいだ。呆れながら千裕が一人くすり笑えば、平馬も横で何故だか笑っていた。多分口に出さないけど、違う理由なんだろうけれど。可笑しくて可笑しくて堪らないのが判って、千裕も今度は酷くはっきりとした顔で、大笑い。 多分理由なんて何でも良くて。何が必要で、どうすればいいのか、多分僕らは知っている。 秋の空気を吸い込んで、走り抜ける気持ちよさ。僕らは二人で、知っていく。 @きみにおしえてもらって、知ってくよ。 ちーへー版、落ち葉を前にして。中学生にっきというか、なんというか。 |
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