コタツを出した。



日頃から猫みたい、なんてどう見ても大型犬にしか見えない親友に言われてるだけあって、コタツ布団に包まってゴロゴロしてるのは大好きだ。
まだ流石に時期も早いし、実際の話そこまで寒くは無いんだけれどついつい入れてしまうそのスイッチ。赤外線で赤く染まった自分の足、それだけで何となく幸せになれるんだから、良しとしようだ。


テーブルの上にはミカンを置いた。
鏡餅の上より何より、ミカンがミカンとしてその存在を強く強く主張してまたマッチするのはコタツの上だと、笠井は強く主張する。出来れば竹の籠で置いてやりたい処だけれど、そこまで贅沢は言えない寮生事情。。
後は宇治茶。なんて事は昔、田舎のじぃちゃんが言っていただけの。この辺はまだ若者らしく、ポカリのペットを横に備えた。ミカンの黄色と青、それとコタツの中の赤い空気。


暖かさが身体全部を満たして、とろとろとしてくる。


コタツは大好きだ。
それにミカンと飲み物があれば、一日だって其処にいられる。実際に小学生の頃、そんな事をやって冬の休みを潰した事もある。
とろとろと思い出しながら、でも、と小さく笠井は呟いた。冬眠モードに入って動きにくい身体を頑張って顔だけ動かす。目に映ったのはさっき買ってきたペットボトルと、それと。自分は飲まない、ブラックの。


とろとろと、目の前に視線を戻せば其処には相変わらずの空白で。

たらないなぁ。
大好きなコタツと大好きなミカン。のんびりとしたこの時間。
コーヒーの缶をつん、と指で弾いて、後で呼びにいこう、と小さく呟いた。
足らない何かを埋めてもらおう。二人で手を黄色くさせながら。
そう思った。



コタツにミカン、貴方と自分。
当たり前の公式を、一緒に浮かべてくれる事をちょっとだけとろけた頭で祈った。





@ぬくもりぬくもり。


コタツが大好きです。









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