コンビニに寄ったのは買い忘れたシャーペンの芯と喉の潤し、最近気に入りのHOTレモン。それと一瞬だけの木枯らし避けのつもりだった。
 足を踏み入れてからああ、と気づいた。そういえば祝日の次の日、学校が終わりのその日だったっけ。それは。



 うんざりする程の量のケーキにいかにもセットでいかがですかと言わんばかりに並べられたシャンメリー。赤い衣装に身を包んで、笑顔を振りまく店員は大変だと思う。妙に色とりどりな店内の中、浮つかずに歩けば目的のシャー芯なんて簡単に見つかるものだ。
 終業式だけの今日は午前中に学校は終わる。何時も自然とつるんでいる連中は別に約束している訳では無いから、早足で学校を出てしまえば一人になるのは容易かった。
 木枯らしの通学路は寒いというより、いっそ痛い。年明けも数えられる程の近さになった冬の最中、ここ最近の冷え込みは特に厳しいものの様に思えた。
 コンビニに立ち寄ったのは別に暖かさを求めただけでもないけれど、全然そうじゃないとは勿論云えない。
 特に買う気なんて無いのに、ぶらぶらと店内を歩く。帰ってからの食料としてスナック菓子の一つや二つ、買ってもいいとは思いつつ。流し目を続ける中、そこかしこにある赤や緑を無視し続けるのは難しかった。

 浮かれ行事が嫌いな訳じゃない。乗せられるのも。度が過ぎなければ、相手を選べるなら。今こうして思い遣って浮かぶ、自分の自然な笑みが優しいものである事が出来る。

 いらっしゃいませ、と笑顔を向けるフリーターサンタの前にカゴをどすん、置く。シャーペンの芯は一番下。箱では無く二つ入りのケーキ。アニメの絵なんて描いてないシャンメリーが高い理由は良く判らない。クラッカーは人に向けてはいけないらしいが、しった事か。
 吊り上がる口許はマフラーでしっかりと隠して、北風が元気に遊ぶ外に出る。肩が竦んで、知らず知らず足が逸った。気づけば随分な量、重さをごまかす様にぶんぶんと袋を振って、その内しっかりと走り始めて、そうして息が切れてきた頃買おうと思っていた気に入りのそれを初めて思い出す。HOTレモン。
 白い息を吐き出した。すぐに後ろへと追いやった。痛さを感じる暇なんて無く。走る。駆ける。段々と面白く、なる。


 君に会いたくなる。
 もし理由を聞かれたら、カレンダーを指差そうとこっそりと決めた。それは学校の終わりの日。天皇の誕生日のその次の日。数字で言えば、そう。






@メリークリスマス。


そんな訳で、勢いです。フリーのつもりで何でもなるように書いてたんですがどうしてもアレだな、三笠になるのですよな…。DNAの神秘。








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