若葉めいた緑が溢れた綺麗な街だった。
私立フォレスト学園への転入書類が届いたのは、そんな5月。
良い天気の空だった。



□■



黒板に白い大きな字。
熊みたいな体育教師の担任に書かれた、自分の名前。
「よろしくお願いします」
クラス中の視線を一斉に集めた中、小さく会釈する。もう2年間愛用してきた、赤のタイが揺れたのが見えた。その内に細かい処が段々気になりだしてきたりして、顔を上げるのが何だか照れくさい。緊張してるんだ、とその時初めて、思ったりした。
「―――じゃ、窓際の一番後ろ。空いてるからそこ座れな。皆仲良くするんだぞ―――!」
ぼんやりしてたら担任の説明が何やら終わってしまった様で。途端に響く声の揃ったはーい、なんてソレに此処はどこの小学校だよ。なんてこっそり心の中で思いながら、躊躇いげに指指された席へと向かう。
途中、微か微かに向けられる言葉、笑顔。
人間なんて現金なものだ。
良いクラスだな。勝手に思う。


「わぁ・・・」
三階のクラスの窓際は素晴らしい景色の良さ。
やたらと広いグラウンド、けれど緑の木々が所々に溢れて。建物の影に隠れて見難いけれど、奥の方には緑のフェンスでまた区切られた箇所もある。何だろう。
「―――おい、あんた」
威圧感。
そんな言葉が似合う声というのは実在するのだ。
「前」
言われた通りに前をむけば、終わりの礼が出来なくて困っている担任の姿。
真っ赤になって、ごめんなさい、と慌てて頭を下げて。
丁度チャイムもなって、楽しそうに彼は笑い。「三上ありがとな」と、頬杖ついてる隣の人に、そう声掛けた。
「何か困った事があったら、隣の三上を頼りなさい。照れ屋だけど意外と良い奴だから」
がはは、と笑う熊先生以外。
皆黙ってしまったのは何故だろう。
とりあえず、椅子をずらして身体ごと横を。向いて。
相変わらず頬杖ついてぼんやり前を見ている「三上くん」の横顔は綺麗だった。







【選択肢】

A:「さっきはありがとう」
B:「良かったら、校舎案内してくれる?」
C: でもやっぱり無視。
D:「一目見た時から決めてました!」
:「ねぇ。運命って信じる?」





相川ユキに捧げた三上落としゲー。
あいつが選択したのがEだったので、それしか進めないのですよ。



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